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「一般用語」 武術全般の一般用語   

武術 国術 武芸 技撃 防衛術 功夫
南拳北腿 拳法 拳術 散手 対練
集体項目 散打 武術分類 珠江流域派 黄河流域派 長江流域派
内家 短打 南派 北派 少林拳 少林拳撃法
少林功夫 峨嵋派 南拳 象形拳 門派 門戸
拳系 拳派 拳種 拳門 武壇 拳壇
武功 内功 外功 器械 機械
兵械 十八類武芸 十八般武芸 長兵 短兵 短器械
双器械 自選器械 本門 同門 門戸之見
要訣 訣窍 訣諺 拳歌 拳訣
拳譜 兵経 兵法 兵家 口訣要術
拳理 剣論 論剣 技法 打法
摔法 拿法 无极 有极 太极
陰陽 両儀 三才 四象 四徳 五行
八卦 太極図 形似 神似 体用 剛柔
剛柔相済 虚実 動静 動静相因 花子 砍形无形
象形取意 十方 四正 四隅 八盤 八門五歩
二門 八門 側門 里門 過門 正門
開門 吃外 小門 大門 門子 洪門
邊門 外門 吃里 里手 外手 里脚
外脚 溜脚 倒樹 三路 三盤
吊手 先手 后手 上手 下手 高手
短手 長手 硬手 探手 畏手 補手
拗手 順手 引手 過手 按手 合手
搀手 递手 策手 抡壁 三形 扁身雀勢
勢合 作勢 気勢 四平架 矮椿 高椿
俯仰 拗歩 順歩 拗勢 順勢 当身
到身 立堂子 太極拳八方五位図 套路 套子 趟子
拳序 拳勢 定勢
拳把 招法 行著 架子
吐架子 盤架子 柔架 活架子 変架子 空架子
定架子 練架子 拉架子 出門架子 大架 小架
功架 走架 身架 亮勢 散招 絶招
虚招 虚手 実招 実手 収勢 起勢
出勢 武術動作 動作規格 組合動作 武術図解 長拳節奏
功力 胆力 弾力 武力 膂力
材力 絶力 勇力 腰力 腕力 抗力
筋力 強力 使拳 行拳 弄拳 比划
易骨・易筋・洗髄

「武術・wushu・ウーシュウ」
武術(wushu)は中国の伝統体育運動の一つである。
武術は「踼(蹴る)」「打(打つ)」「摔(投げ技)」「拿(掴む)」「撃(打つ)」「劈(切る)」「刺(刺す)」等の動作などを
含んだ一定の運動規則(ルール)に照らして徒手及び器械(武器)の動作を組み立てて行う運動形式である。
武術運動には心身の鍛練、体質増強、自己防衛などの効用が有る。

武術は長い発展の歴史の中で、その内容と形式は変化していったが、武術と言う名前は変わることは無くつづいている。
ただ武術はその時代とともに違う呼び方もされていた。
春秋時代の名称は「武芸」戦国時代には「技撃」漢代は「技巧」明代は「技芸・技勇」明国時代は「国術・国技」と呼ばれていた。
現代の中国武術は通常「拳術」「器械」「対練」「集体」の表演と「攻防技術」の五の種類が有る。

「国術・guoshu・グオシュウ」
中国武術の簡称である。
1927年3月に中央国術館が成立して国術と言う名前が正式に付いた、また同年「見呉図南(国技概論)」が出版されている。
中華人民共和国成立後には香港、台湾、東南アジア等の地域でこの名前が使われている。

「武芸・wuyi・ウーイー」
武術の古代の名称でである。
例えば「武芸高強」「十八般武芸」と漢代に用いられている。

「技撃・jiji・ジージー」
古代では「搏闘撃刺」の技術を指したが、現在では「実践武芸」を指す。また「武術」の別称でもある。
技撃の言葉が最初に出てくるのは春秋戦国時代である。

「防衛術・fangweishu・ファンウェイシュウ」
防御と、敵を攻撃して戦う格闘技術。色々な実用的な武術の技術を取り入れ、拳で打つことと合わせて日本の柔道の技法も合わせている。
主要な動作には弾踢、蹬踹、頂撞、抓虜、戳砍、挖点、絞捏、卡扼、掰址、挡抓、挣封、夹折、跪絆、盤勾、扭按、搬拿などがある。

「功夫・gongfu・コンフウ」
1.武術のこと、中国以外の国では武術を称して「功夫」と呼ぶ。2.学問または技術に深く達していること、武術における運動技術レベルの
到達の程度を表す。例えば:彼には足の功夫がある、大槍の功夫が深いなど。3.武術中の技芸を指す。例えば:鷹爪功、軽功など。4.武術
に費やされる時間、時間と精力。

「南拳北腿・nanquanbeitui・ナンチュエンベイトゥイ」
俗語。その意味は南方に伝わる武術は拳を多く打つ、北方の武術は腿法を多く用いる。清代・李声振【百戯竹枝詞・角触】北腿南拳の名は
上手く言い表した名前である、・・・優れた格闘はバラバラに広がりのさばっている。

「拳・quan・チュエン」
1.徒手武術。明代何良臣【陣紀・技用】武術を学ぶにはまず拳を、次に棍を学ぶ。2.武芸の総称。民間の多くの武術の練習を称して「練拳」
と言う、別に拳の種類の中に器械を含む。3.力、勇ましい【詩・小雅・巧言】拳が無く勇が無いと職は乱れる、拳は力なり。【国語・斉語】
拳勇は頼りになる4.武術の手型の一つ。手の指を巻き込むように曲げて握ると拳になる。別名を捶とも呼ぶ、拳の各部の名称は拳面、拳背、
拳輪、拳眼である。拳の形は拳種により違う、主な拳には巻心拳、鳳眼拳、鶴頂拳、螺形拳、羌子拳、尖拳、瓦梭拳など有る。握り方はそ
れぞれ同じでない。

「拳法・quanfa・チュエンファ」
1.沢山ある攻防格闘技術の「拳勢」「招法」の通称、一般的な徒手武芸を指す。明代・戚継光【紀效新書・拳経捷要篇】ほとんどの拳、棍、
刀、槍・・・などの類、拳法の腕前が先にはならない。
2.武術における手法の一種類。つまり拳の攻防技法です。北方は長打に長け、冲拳、劈拳、横拳、撩拳などを多く用いる。南拳は短撃に優
れ、挂拳、撞拳、抛拳、鞭拳等を多く用いる。

「拳術・quanshu・チュエンシュー」
中国武術中の徒手技術の総称で、その内容は大きくわけて二つある。
1.長拳、太極、南拳、形意拳、八卦掌、通背(臂)拳、劈掛掌、八極拳、翻子拳、戳脚、象形拳等の各拳類、拳種、流派に属する套路、招
法など。
2.散手、推手、対練、集体演練など。

「散手・sanshou・サンショウ」
散打とも呼ばれる。現代武術中の対抗項目で、一定の規則の下で行われる格闘競技、散手競技によって訓練水準を向上させ、同時に勇敢さ、
決断力、機知、敏捷性、意志力などを育てる。古代に擂台で行われていた試合が現代の散手の発端になっていると考えられる。
1928年と1933年の両期にあった「国術国考」の中の徒手格闘競技を称して「散手」と呼ばれる、またあわせて「国術国考」の重点項目で
もある。

散手の試合では摔、打、踢、拿、等の技術を用いる。試合は三局(ラウンド)、毎局(ラウンド)2分または3分でおこ
なわれる。勝敗の判定は有効部位への打撃数または撃倒(ノックダウン)で決められる。中華人民共和国成立以降、1952年に「天津市民
族形式運動会」で散手が競技種目になり体重別三階級でおこなわれてから現在につづいている。

「対練・duilian・トウイリエン」
武術の演練形式のひとつ。俗称「対打」二人(或いは二人以上)で、あらかじめ決めてある武術の攻防動作にあわせて、攻撃、また防御
で構成した套路を仮想の実践としておこなう。対練には徒手対徒手、器械対器械、徒手対器械の散手の対練が有る。

「集体項目・jitixiangmu・ジーティーシイアンムー」
武術の一種類。6人以上で一定の隊形を作り、音楽に合わせて図形を作りながらおこなう演武。古い書籍の中に記されている原始社会の
「百獣舞」「千戚舞」が徒手、器械集体の原型となる。漢と晋時代の間に「矛舞」「剣舞」の集体があった。唐代の宮廷舞踏には「秦王
破陣楽」がある。元代、馬端臨【文献通考】に、「左に丸く右に四角い、初めは偏り後に整列する、交叉し伸びる、その姿は魚や鵞鳥、
コウノトリに似せて、楽隊二十八人が兜をかぶり手に戟を持ち舞う、おおよそ三度変化し、変わるたびに四陣になり、打ったり刺したり
して行き来する」と記されている。
宋代の時には色鮮やかな衣装を着飾った集体の演練があり。解放前(1945年以前)に太極拳などの集体演練の形式があった、解放後
(1945年以后)には全国武術競技の規則がきめられた。集体項目は6名以上時間は3分以内、隊形を作り、図形が変化し動く、攻防の
特徴が突出していること。
集体項目の形式には基本功、集体拳、集体剣、刀、鞭などがある。
現代の集体項目の特徴は勢いが強く見える、内容が豊富で複雑、構成が巧みである、図形がユニークで変化に富んでいる等である。練習
ほうの要求点は精神を集中する、歩調を一致させる、相互に調子を合わせる、順序が有り離合がある、整然と一律化する。技法は攻防技
術に合致している、速度の程度「速い、遅い、起きあがる、伏せる」は波が流れるようにおこなう、「踢、打、摔」は早急に銅鑼を密に
打つようにおこなう。特に重要なことは構成、布局、それと功夫である。音楽の伴奏を入れても良い。

「散打・sanda・サンダ」
散打=散手の項を見よ

「武術分類・wushufenlei・ウーシューフェンレイ」
武術の内容と属性区分に合わせて分類をする。主要の分類には「地区による分類」と「技術による分類」がある。一般に採用されている
ものは後者で明代には長拳、短打という分類。近代では長兵、短兵、徒手の分類がある。現代の分類は拳術、器械、対練、集体項目、攻
防技術の五種類がある。別の分類では套路、散打。功法という分類も有る。

「珠江流域派・zhujiangliuyupai・チュジアンリュウユゥパイ」
地域による武術の分類。「珠江流域派技撃術」が正式の名称である。
この分類法は【中国精武会章程・附技撃術各目】の中に書かれている。「黄河流域派技撃術」「長江流域派技撃術」「珠江流域派技撃術」
の三大流派に分けられている。
「珠江流域派技撃術」の内容は(1)徒手単練項目:鉄拳、祖拳、虎膝拳、鳳眼拳、双龍拳、伏虎拳(2)徒手対練項目:拼命拳(3)
器械単練項目:長棍、双刀、拦門豹板凳(4)器械対練項目;藤牌戦刀钯、対手棍、双刀対棍、板凳戦双刀、钯戦刀牌などがある。

「黄河流域派・huangheliuyupai・ファンフーリュウユゥパイ」
地域による武術の分類。民国の初年に「精武体育会」かつて行われていた武術の分類で「黄河流域派」などの三大流派に分かれていた。
「黄河流域派拳術」の内容には潭腿、少林拳、査拳、青流拳、四陸拳など50種類有る。兵器には達磨剣、五虎槍、九節鞭、峨嵋槍、
対手槍、対手棍、など63種類ある。

「長江流域派・changjiangliuyupai・チュアンジアンリュウユゥパイ」
地域による武術の分類。民国の初年に「精武体育会」かつて行われていた武術の分類で「黄河流域派」などの三大流派に分かれていた。
「長江流域派拳術」の内容には四門重手、天罡手、十字手、武士十八技、紅操、黄操、短手など18種類ある。器械には梅花槍、鳳池刀、
少林棍など18種類ある。

「内家・neijia・ネイジィア」
古い武術の分類法の一つで、中国国内に広く広まっている。内家とは外家に対して称される。内家の別名は「南宗」「武当派」と呼ば
れる。源自黄宗義作【王征南墓志銘】の中で「墓誌銘・いわゆる内家は、宋代の初め頃、張三峰が起こした」とある、張三峰は武当の
丹士・徽宗に招かれるが道がふさがり進めない、その夜、彼は夢で玄武大帝より拳法を伝授される、そしてその拳法を使い一人で盗賊
を百あまりを倒す。ただ、この説はでたらめで「夢の中で拳を授かる」というのは信用できない。また「張三峰は内家拳を太極拳に応
用する」これは【三全書峰】以降のこじつけである。

「短打・duanda・ドゥアンダ」
1.古くは拳術の一つの名前である。明代の程宗猷著【耕余剰枝・問答篇】によると、長拳の創始は温家の類に有り、短打は綿張任家の
類に習うとされる、短打に対して長拳の名前がある。
古くから近代に至る武術の分類が進む中で、長拳と共に短打の両派に分ける分類が一度成立する。また別に江南一帯の拳術を短打とす
る分け方もある。徐哲東著【国技論略・短打類】短打は長拳は、生きている間に全てしだいに混ざって行った、ゆえに長拳を学ぶ者は
短打も兼ねて練習を続ける。短打を専門に行う者は、江南と広東に伝わっているのみである・・・。
2.拳種の名前、その中には「綿張短打」「任家短打」「六路短打」などがある。

「南派・nanpai・ナンパイ」
1.一般的に長江流域の南側の各地に伝わっている拳種、流派を南派と呼ぶ。
2.古くは武術に対する分類理論の一つ。清代末期から民国の時期に武術は「南」と「北」の両派に分かれていて、南派に対して北派と
言う呼び方がある。南派は別名「内家」「武当派」とも呼ばれた。徐哲東著【国技論略・類別第七】南派内家の流派を比べると簡単で
ある。南派は武当派であるとの説はとても広く伝わっている。ただしこの説はさらなる研究を待たねばならない。

「北派・beipai・ベイパイ」
1.一般的に長江流域の北側の各地に伝わっている拳種、流派を北派と呼ぶ。
2.古くは武術に対する分類理論の一つ。清代末期から民国の時期に武術は「南」と「北」の両派に分かれていて、北派に対して南派と
言う呼び方がある。北派は別名「北宗」「外家」「少林派」とも呼ばれた。徐哲東著【国技論略・北派分類】北派外家を調べると、支
流はきわめて多く、全てを数え切れない、おおざっぱに分けるならば、長拳、短打、地趟三種になる。北派は少林派であると
の説はとても広く伝わっている。ただしこの説はさらなる研究を待たねばならない。

「少林拳・shaolinquan・シャオリンチュエン」
武術の流派である。名前は河南地方嵩山少林寺に由来する、元々は古来の健康になるための基本技術の上に、各種の武芸エッセンスを
広く取り入れた武術で、数ある武術の中でも、もっとも影響のある武術の一つである。
その源流は、1919年に出版された【中国体育史】の中で「達磨が作った十八羅漢手は後世の少林拳の始まりである」とのべられている、
しかしその後而唐豪【少林武当考】では「付け加えればこれは偽妄の説」「信用するに足りない」と記されていて以降これについての
争議はなく定説と成っている。

宋代以降、少林武術は、宋の太祖「趙匡胤(927〜976)」の長拳、韓通の通杯拳、馬籍の短打など18家拳法の長所を取り込んでい
った、その拳譜(武術の套路を記したもの)は少林寺で保管され後世へ代々受け継がれている。
さらに、伝えによると、金元の時代に少林寺の覚遠和尚が西へと赴き、白玉峰寺の李老師を訪ねいろいろな技を授かった、李師は小洪
拳、棍術、擒拿そして龍、虎、蛇、豹、鶴の五つの気功を伝えた。

明代、抗倭(倭寇に対抗すること)の名将兪大猷は、戦いの中で得た実践的な棍術を少林寺に伝えた。そうして、少林武術は諸流派の
長所を取り入れ短所を補い、相互に促進し代々研鑽を繰りかえし次第に発展していった、その結果、少林武術は拳法、器械など多種の
内容へと体系が完成していった、そうして少林拳は套路は巧みで完成度の高い武術の流派になっていった。

少林武術の内容は
1.拳術------単練と対練の二種類がある。単練には、小洪拳、大洪拳、羅漢拳、楼洪拳、炮拳、長拳、梅花拳、朝日拳、通背四路、七星
 拳、関楽拳、龍拳、虎拳、豹拳、、蛇拳、鶴拳など。対練------六合拳など。
2.技撃散打------単練、散打には閃戦移身把、心意把、虎撲把、遊龍飛歩、丹鳳朝日、十字乱把、老君抱葫芦、金糸纏法、迎門鉄扇子、
 抜歩炮等百余種などがある。
3.気功------少林易筋経、小武功、混元一気功、陰陽気功などがある。
4.器械------刀、槍、剣、棍、長短軟鞭など十八般兵器、その中でも棍術がもっとも有名である。
5.桩功------つまり站桩。馬歩、椅子桩、丁字桩等、その身法は研究され八要ある、起、落、進、退、反、側、収、縦。

手・眼・身法・歩、に対する要求は
手法は曲がりまた曲がらない、真っ直ぐまたは真っ直ぐでない、出ていき入ってくる、運用は思いのままである。眼法は目で以て注目
し敵を詳しく知る。身法は起きる、落とすなど重心を把握して、平衡を失わない。歩法は進むときは低く、退くときには高く、軽くす
ばしっこく安定している。ただし実際には以上の要求を隠し表に出さない、内は静かで外には激しく行う。
戦いに置いて理想的なことは、声は東に打つは西に、上を示し下を打つ、偽りで攻め実際は退く、退くようにして実際は前に進む、虚
実を合わせて持つ、剛柔が互いに補う、勢いに乗じて飛んで打つ、出る手には情けを掛けず、急所を打つ。

拳に対する諺には「麗しい事は猫の如く」「奮い立つ事は虎の如く」「行くことは龍の如く」「行動は稲妻、声は雷鳴の如く」この形
の変化はめまぐるしく、套路を強調し一気呵成に訓練する、肩と股、肘と膝、手と足の(外三合)、そして和心(穏やかさ)及び意識、
意識及び気、気及び力の内三合の内と外を一体とする。拳を打つ時は一直線、これは少林拳をもっとも良く表した特徴である。動、静、
呼吸、運気、用気等の特徴も有る。少林拳の拳訣には「拳を打つときは充分に出す、力より気が出る、運気を重んじ後に緩める、気を
貴び用いて後に素早くなる、緩急は精神の技で一呼吸の中にある。」

また、【中国体育史】に置いて「少林拳は俗称として外家拳と呼ばれていて、格闘の主である。」「外家の中、流派は多種多様に至る
陰勁と陽勁に二派・・或いは世間で言われている南北二派、北派は剛を重んじ、南派は柔を重んじる・・ゆえに拳術は剛柔に分かれる」
南派は拳を重んじ、特に短手を重視する、北派は腿を重んじ、長手を重視する。すなわち「南拳北腿」である。少林拳は中国内だけで
なく国外にも広がり盛大に発展している。

「少林拳撃法・shaolinquanjifa・シャオリンチュエンジィファ」
少林技撃術の一つ。特徴は拿(つかむ)、打(うつ)、跌(ころがる)を合わせて用い、拿を主とする。その内容は1.脱腕八法、上脱、
曲脱、内脱、外脱、倒脱、中脱、横脱。2.還手八法、抓胸還、抓腕還、抓肩還、抓肘還、分手還、抱腹還。3.截肘八法、托截、拦截、
頓截、拍截、錯截、収截、勾截。4.近戦十二法、谓摘心捶、七星幇靠、吸歩単鞭、斜引式、提劈腿、双峰貫耳、仆歩圧肘、抜刀式、狸
猫上樹、腰折式、倒口袋【少林拳術秘訣】の中で見られる。

「少林功夫・shaolingongfu・シャオリンコンフ」
少林寺に伝わる各種類の武功を指す。内、外、硬、軽、気の五種類に分かれる。内功には洗髄経、易筋経などが有る、主に精、気、神
を練り強く内側の根本を固める。外功は軟硬の功夫を包括する、主に身体の素早さ、協調性、力量と桩歩の技量を練習する事により、
自衛と攻撃の能力を高める。硬功には「鉄布衫」「紅砂手」「一指禅」「上缶功」「石柱功」「排打功」等があり、主に身体各部の打
撃に対する抵抗力を強くする。軽功には跑墙(堀の上を走る)及び遊墙(堀の上をブラブラする)などがある、主に軽業と跳躍などの
隔たりを超える能力を練習する。気功は養気と練気があり、養気功には主に座禅などの静功が有り、調息に寄り精神力、精力を養う。
練気功は武術と禅を結合させた動功で、血行を盛んにして活力を増す助力をする。

「峨眉派・emeipa・ウーメイパー」
武術の流派。四川で流行した拳術である。明代から唐代の【峨眉道人拳歌】の中に記されている。拳歌の中には「突然真っ直ぐに足を
踏みこみ、岩を割り飛び散り吹き飛ばす、行き来する星女は素早く投げる、天骄と天魔は緑の袖をひるがえす」
明の遺民呉殳の著【手臂録】の中に、峨眉槍法の規則が書かれてある。その中には治心、治身、宜静、宜動、攻守、審勢、形勢、戒謹、
倒手、扎法、破諸器、身手法、総要など豊富な峨眉派の理論が書かれてある。現在の峨眉派の拳技の多くは四川に伝わる拳技を指す。

「南拳・nanquan・ナンチュエン」
武術流派の一つ。主に広まっているのは中国南方の地方である。南拳には悠久の歴史がある、その源流は四百年前に遡る。新中国成立
後1960年には武術大会の重点項目の一つになる。南拳は多くの人たちに深く受け入れられ愛好されている、また中国国内のみならず
シンガポール、マレーシア、フィリピン、インドネシア、など東南アジアの国に伝わり広まり、多くの愛好者がいる。
南拳の内容は広まっている地域、門派などによりそれぞれ異なる。

・広東南拳 洪家拳、劉家拳、蔡家拳、李家拳、莫家拳、蔡李佛拳
      虎鶴双形拳、侠家拳、詠春拳、練歩拳、練手拳、刁家教
・福建南拳 鶴拳、後祖拳、太祖拳、羅漢拳、梅花桩、地術犬法、連城拳
・江西南拳 硬門拳、字門拳、三十六路宋江拳
・湖北南拳 洪門拳、孔門拳、魚門拳
・広西南拳 有周家拳、屠龍拳、小策打
・淅江南拳 洪家拳、黒虎拳、金剛拳
・湖南南拳 巫家拳、薛家拳、岳家拳
・江蘇南拳
・四川峨眉拳
・余家拳
・白眉拳 などの南拳の種類が有る。

南拳類の主要な器械には南棍、大杆、四門刀、梅花刀、合仔刀(双合刀)、双刀、三尖叉、単锏、双锏、柳公拐、斧、矛、盾、钯など
さらに天秤棒(扁担)、鍬、板凳などの生活用品も含まれる。これらの器械の練習法は南拳の拳術と一緒で、動作は素朴である、剛勁
有力で、勇猛で雄渾で有る、活動範囲が小さいなど特徴がある。練習法には単練がある、そして対練には「矛対盾」「矛対大杆」「天
秤棒対板凳」などがある。

 各派の南拳に共通する特徴は
1.手法が多様である「一つの姿勢で多くの手法を行う」「一歩でいくつか手法が変化する」。南拳の練習中、上肢の連続動作の時には
 通常歩型は変えない。手法には拳、掌、爪、勾、指、各種の肘法、そして橋法がある。橋法とは、前腕部を使う攻防動作で「沈橋」
 「截橋」「穿橋」「滾橋」「劈橋」などがある。手法には大きく分けて二つの種類がある。一つは「長橋大馬」腕を振る時は大きく
 振り回す、長勁を発する、発力はとても強い。二つ目は「短橋狭馬」動作の幅は小さく、短勁を発する事が特徴、発勁は含み、快速。
2.動作は隙が無く、整っていて勁力が剛健である。南拳において発勁動作には「分短勁(寸勁)」「長勁」「飄打勁」「連綿勁」「撞
 抖勁(宗勁・震勁)」などがある。
3.歩法は安定していて動かない、重心は低い。主要な歩型には「弓歩」「馬歩」「虚歩」「跪歩」「蝶歩」「独立歩」「半馬歩」「騎
 龍歩」などがある。腿法の多くは足が低く屈伸性腿法で、肩より低く、腰より高い。
4.快慢相間(早い遅いが交互に変化する)、長短併せ持つ。身形には一般に二つある。一つは挺胸(胸を張る)、塌腰(腰を伸ばす)
 収腹(腹を収める)、敛臀(臀部を収める)。もう一つは含胸(胸を含む)、抜背(背中を引き下げる)、沈肩(肩を下げる)、墜
 肘(肘を下げる)、敛臀(臀部を収める)。身法への要求は「呑吐浮沈」「靠崩閃転」腰、腿、身、手が一致し、手から肩つづいて
 腰と全身に一気に完成させる。
5.気沈丹田、発声吐気。南拳の練習中、勁力動作あるいは象形動作に合わせて大声で声を出す、注意すべきは「吐く息で声を出す」そ
 の声を助力にする事である。南拳の練習中の発声は気を沈め腹の中から吐き出すように発する。

南拳における攻防の特徴を表す言葉は「奪中」「護中」で、すなわち攻撃する場合、特に敵の急所を攻める、また防御時には自分の弱
い部分を保護する、注意すべき点は長手と短手を併用すること、「長手貴力足」長手は力を重んじ「短手能自顧」短手は自らを省みる。
歩法と身法、手法の関係は、力は腰より生まれ、手はみぞおちより出る。橋法は上から押さえ、上に跳ね上げる、下に打つ、乱れて打
つことは要らない、打つ時は隙をねらい打つ。南拳は勁力に満ち、多くは剛の力を主とする、したがって南拳を練習する者は筋肉の量、
動作の速度など、身体の素質のすべてを高めて行かねばならない。

「象形拳・xiangxingquan・シャンシンチュエン」
一般的に各種の動物の特徴と形を真似る、また古代の人物の戦い等を表現する武術の一種です。
猿・雀・熊のように舞う。【尚書・益稷】には石で打ち、石で叩き、百獣を率い手舞う。「東漢の末代にすでに養生法として五禽戯が
有った。」随唐の時代に獣を真似た舞は更に盛んに成る。随代の薛道衡【輪許給事善心戯場転韻】抑揚百獣の舞、よちよち歩く五禽戯
獅子の子が斑の脚でもてあそぶ、巨像の垂れた鼻。明代の少林寺にはすでに武術としての「猴拳」が有った。
王士禎【嵩遊記】に「猴撃の者有り、回り跳び上がる、まるで猿のようだ」威継光【紀效新書・拳経捷要篇】の中にも猴拳が有る。
清代以降に「蛇拳」「鷹爪拳」「螳螂拳」「鴨形拳」「鶏形拳」「鶴形拳」「虎形拳」「龍形拳」「菌獅拳」および「猴棍」「猴剣」
「螳螂鈎」「螳螂刀」等の器械類が出現してきた。
現代でも一部の地域で「鵞鳥拳」「鼠拳」「蟋蟀拳・コオロギ」「牛拳」「瓶拳」「蟹拳」などが有る。ただしその価値を知るにはさ
らなる研究を待たねば成らない。
その他には「酔拳」「武松脱铐拳」「酔剣」「酔棍」などが有り、皆象形拳に属す。これらの拳には、形を真似る(象形)と意味を取
る(取意)の両種類が有る。象形には動物を真似る武術と人物を模倣する武術とが有る。
象形拳と言うカテゴリーでも違う種類の象形拳では全く違った違った技術と撃法を持つ特徴が有る。

「門派・menpai・メンパイ」
拳種と拳派の合わせた名称。一般には拳理(門派独特の理論)、套路、器械、勁力の特徴など合わせ持つ。称して「一門芸業」と言う。
いくつかの近い拳術を練習する者は同じ名称の門派を名乗る事がある。例えば「少林派」「武当派」「南派」「北派」等である。

「門戸・menhu・メンフー」
1.別名、門派。
2.防守の架勢。例えば「門戸を作る」「門戸を大きく開く」。明代兪大猷【剣経】「手が動くとき、即ち四歩定まり、門戸密になる」
【水滸伝】第九回「洪教頭・・・門戸から出る、叫びは天に昇る炎の勢い」
3.武術家が人体に於ける攻撃部位の習慣的な呼び方。一般に胸、脇、股間、等で大門と小門の二つの門がある。清代張孔昭【拳経拳法
 備要・周身秘訣十二項】「下盤の門戸は膝にあり」
4.猶言門第【世説新語・賢媛】「したがって私は節を曲げて、門戸の計画だけ」
5.家の周囲にめぐらした堀に出入りするところ。【管子・八現】「門戸は開かず」

「拳系・quanxi・チェンシー」
源流が同じ系統の武術を指して言う。同じ系統の技術体系と理論体系がある。例えば太極拳には陳式、楊式、呉式などいくつかの式の
太極拳が有るが同一の拳系となる。

「拳派・quanpai・チェンパイ」
武術流派の事を指す。主には技術的区分である、ただしその他には、人による違い、地域による違いなどがある。例えば少林派、武当
派、南派、北派、峨眉派などである。拳派は学派に似、伝統の視点に影響を受け、拳の特徴の相違点は人と宗教による。

「拳種・quanxizhong・チェンゾン」
伝播の始まりには、内容の系統、また別の分け方は「家」の拳術などが有る。例えば「査拳」「翻子拳」「六合拳」などがある。

「拳門・quanmen・チェンメン」
武術の種類、拳種の古い呼び方。例えば太極門、少林門等々。

「武壇・wutan・ウータン」
武術界の事を指す。別の呼び方に「拳壇」「武林」が有る。

「拳壇・quantan・チェンタン」
拳壇=武壇の項を見よ

「武功・wugong・ウーコン」
1.戦功(戦いで立てた手柄)。【詩・大雅・文王有声】「文王の名を受け、武功を立てる。」
2.武術の技能。練習により武術の技能と功力を獲得する事を指す。武術の技法が熟練すれば、自分で思うままに動くことが出来る。
 「武功深厚」または「武功好」と称する。

「内功・neigong・ネイゴン」
武術、気功術の用語。重要視することは人体内部の機能(意念、気息、臓腑、経路、血脈など)を鍛練することである。「内壮」を主
なる目的にした功法を行う。例えば「静功」「易筋経内壮功」「站桩功」「八卦転旋功」などすべて内功に属する。
章乃器の著【科学的内功拳】鍛練した効果には「筋肉の発達は無い、有る物は内臓の強固になりまた快適に成る」、総称して「内功拳」
と呼ばれる。

「外功・waigong・ワイゴン」
武術、気功術の用語。重要視する事は人体の外部の機能(骨格、筋肉、筋腱、皮膚など)を鍛練する事である。「外壮」を主なる目的
にした功法を行う。例えば「拍打功」「排打功」「神勇八段錦」などである、また気功の中の動功等も外功に属するという説もある。
章乃器の著【科学的内功拳】鍛練の効果には「身体の外郭の発展を重視する」「筋肉の発達」総称して「外功拳」と呼ばれる。

「兵・bing・ビン」
1.一般的に兵器(武器)を指す。【左伝】魯隠公元年「繕甲兵、具卒乗」。【筍子・議兵】「古之兵、戈、矛、弓、矢だけである。」
2.兵卒、軍隊を指す。【戦国策・西周】「従って兵士が進む」
3.兵法の研究を指す。【左伝】魯隠公年三年「良い兵士をかわいがる」【戦国策・秦】「兵が公平であると、必ず困る」
4.兵器を用いて攻撃する。【史記・伯夷伝】「左右の兵を欲する。」【左伝】魯定公十年「孔丘が公を退くとき曰く、士兵之!」
5.戦争を指す。例えば「交兵」などがある。

「器械・qixie・チーシィエ」
1.古くは用具または武器類の総称として使われる。【庄子・除無鬼】「百の工房が有り、器械を作る技術が盛んである」
2.現代の武術界では各種の演練兵器の武器で有る、長器械、短器械などがある。


「機械・jiqi・ジィチー」
古く兵器を広く指す言葉である。


「兵械・bingqi・ビンチー」
兵器を指す。


「十八類武芸・shibeleiwuyi・シィバァレイウーイ」
古代武芸の分類法である。つまり各式武芸の技撃の特徴と使い方の分類法である。
一、砍斬(刀類を指す)級環刀、春秋刀、三尖両刃刀。
二、挑刺(槍類を指す)戈、矛、戟。
三、架搿(棍棒類を指す)双頭棍、殳、狼牙棒。
四、遮挡(防具類を指す)藤牌、盾、面具。
五、圧劈(斧鉞類を指す)板斧、九歯钯。
六、敲枕(錘類を指す)金瓜錘、八角錘。
七、勾鍛(勾類を指す)鈎、挝、(金党)。
八、校拦 锏、鞭 など。
九、貼৩ 匕首、短剣、小刀など。
十、追撃 流星、鉄鏈。
11、校射 弓箭、弩、標槍。
12、擲打 袖箭、飛镖、弾丸など。
13、抛索 梱套、網縄など
14、撒傷 飛砂、石灰。
15、奥秘 施刀、回馬槍、殺手锏など兵器の絶技。
16、拳技 徒手搏闘技芸別名「白打」。
17、力勇 挙重、端石、負沙袋。
18、御馬 (騎術を指す)。

「十八般武芸・shibabanwuyid・シィバアバンウーイ」
多種類の武芸を指す、その内容は各時代により種類は同じではない。その名称の最初は「元曲(元代に盛んだった文学)」に見られる。
【古今雑劇】に収められている【敬徳不服老】のなかに「十八般武芸を学び、六韬(兵法の秘訣)書を読み熟練する」の歌がある。
【水滸伝】第二回のなかには
 「十八般武芸」 矛、錘、弓、弩、銃、鞭、锏、剣、鏈、挝、斧、鉞と戈、戟、牌、棒と槍、扒とある。
【御雑俎・巻五】明代万歴年間、謝肇淅では
 「十八搬」 弓、弩、槍、刀、剣、矛、盾、斧、鉞、戟、鞭、锏、槁、殳、叉、把頭、綿縄套索、白打とある。

清代以来、十八般武芸は四種類に分類される。
 1.刀、槍、剣、戟、(金党)、棍、叉、耙、鞭、锏、錘、斧、鈎、鎌、扒、拐、弓箭、籐牌。
 2.刀、槍、剣、戟、(金党)、棍、叉、耙、鞭、锏、錘、斧、鈎、鎌、扒、代、抉、弓矢
 3.「九長九短」に分ける
  「九長」は槍、戟、棍、鉞、叉、(金党)、鈎、槊、環。「九短」は籐、剣、拐、斧、鞭、锏、錘、棒、杵。
 4.近代戯曲界での十八般武芸は
  刀、槍、剣、戟、斧、鉞、鈎、叉、鞭、锏、錘、抓、(金党)、棍、槊、棒、拐、流星捶。

3.のなかに弓矢や籐牌などが無いのは、当時の武術者は弓矢の練習をせず、套路をよく学んでいたせいである。

「長兵・changbin・チィアンビン」
1.遠くを打つ兵器、弓矢の類。【史記・匈奴列伝】「長兵は弓矢、短兵は籐铤」
2.「柄杆」が付いていて、長い兵器、籐や剣が短兵器と呼ばれる事に対応している。【戦国策・西周策】「長兵、戈矛に属する」
3.現代武術器械類の種別。槍、棍、大刀など長い器械と長柄杆の器械を総称して長兵と称する。
4.武術の対抗性競技一つ、これは槍の形と技術の基礎を発展させた競技である。
 1952年天津市で行われた民族形式運動会で伝統的な槍法と習慣的な練習法を取り入れて「長兵」の競技が行われた。
 一般的には10メートル四方のコートで、選手は防具を付け、長さ3メートル、重さ1〜1.5キロの白蝋大杆を用いる。
 尖端には軟質の槍頭を付け、身体の指定された所を打つと得点される。
 通常3回対戦し、一回3分間、試合間は1分休憩で競技される。

「短兵・duanbin・ドゥアンビン」
1.古代兵器の種別。短兵は比較的短い兵器で、刀、剣などの類である。屈原【后漢書・光武紀】「賊追急、短兵接」。李賢【注】「短
 兵は刀と剣なり」とある。
2.現代の武術の中で短兵は刀、剣、鞭、锏以外には、護手鈎、錘、峨嵋刺、子午鉞などがある。
3.現代武術の器械対抗項目の一つ。器械は籐や竹を編んだもので、中には綿などが入る、円形の御手盤が付き、全長は80センチ。二人
 でそれぞれ一本を持ち、一定の規則に従い、刀や剣の技術で闘い競技する。規定時間内で相手の有効部分に打つ回数で勝敗が決まる。

「短器械・duanqixie・ドゥアンチーシィエ」
武術の中の短刀、短槍、剣、鈎、鞭、锏、などの短柄器械の総称。
短器械=短兵の項を見よ

「双器械・shuangqixie・シュアンチーシィエ」
武術の練習者が両手に各一つずつ器械を持ち行う時の名前。器械は同じ物と左右に違う器械を持つ二種類がある。
同種の器械で良く見受けられる物には双刀、双剣、双鈎、双槍、双匕首、双峨嵋刺、双斧、双鞭、双頭双槍など
がある。別種の器械で良く見られる物には盾牌刀(刀と盾牌)刀里加鞭(刀と九節鞭)などがある。双器械の演
練時には左右の器械の配合、左右の器械の主と従を分ける、複雑で乱れず、身法と歩法を協調させ、上下を合わ
せる、身体の動きと器械の操作を合わせる。演練時の風格は奇抜で気が利いているリズムが豊かで、勢いが連環
する、軽快で勢いが有る。双器械には一人で行う単練と二人以上でやる対練とがある。


「自選器械・zixuanqixie・ツーシュアンチィシィエ」
現代武術大会の中の種目の一つ。競技規則にのっとり組み合わせる個人競技、各種の器械の特徴と身法、歩法、
平衡、跳躍などの動作を編成して套路を作る。(自由演技)

「本門・benmen・ベンメン」
伝統の用語。自己の門派の武術(芸業)、或いは自己と同じ練習をしている門派。例えば本門師友、本門師兄弟などと使う。

「同門・tongmen・トンメン」
伝統の用語。同じ練習している門派、または同じ老師に武術を学んだ者。

「門戸之見・menhuzhijian・メンフージィジェン」
【派閥にとらわれた偏見の意味】武術門派の中に生じるの境界を分ける見方、往々にして偏った観念の見方である。

「訣・jue・ヂュエ」
【コツ・妙法】
武術の中には「拳訣」「剣訣」「槍法訣」「掌法訣」などがある。合わせて「口訣」「要訣」「歌訣」がある。口訣は通俗的で、比
喩が多く便利な教えである。要訣は練り上げられた簡単な言葉で深い意味が含まれている。歌訣は韻を踏み、覚えたり伝えたりする
事が簡単である。

「要訣・yapjue・ヤオジュエ」
拳を行うの、大切な意味を含んだ重要な言葉。それは練り上げられた簡単な言葉で深い意味が含まれている、堅苦しくなく、高度に
まとめられ指導性が高い。一字または単文で要点を明らかにしている。

「訣窍・jueqiao・ジュエチィアオ」
訣窍とは武芸演練の要領、または秘訣。

「訣諺・jueyan・ジュエヤン」
武術の諺。古くより民間に広く伝わり、古今の武術家がそれを取り入れている。それは通俗な言葉で比喩や形象などを用い、意味を
はっきりさせ、拳理を解いている。武術家の練習する要領を掌握する助けにする 正誤を分けて、片落ちを防止する。「練拳不練功」
「到老一場空」などの例が有る。

「拳歌・quange・チュエングゥ」
韻律を持ち、歌に拳芸の言葉を反映させる。「峨嵋道人の拳歌」「打手歌」「走架歌」「十趟弾歌」などがある。その歌は流暢で活
発、重厚で、覚えやすい、「拳訣」と合わせて伝わっている。

「拳訣・quanjue・チュエンジュエ」
拳理を暗記しやすいように書き記した物。各拳種にそれぞれ拳訣がある、少林拳の「用力暗訣」太極拳の「撒放密訣」内家拳の「心
法五字訣」などが有る。拳訣は簡潔な文字で、意味を深く含み、決まり切った規則は無い、拳歌と合わせて伝わっている。

「譜・pu・プ」
記録事物類または系統冊子。武術の中には三種類の分類がある。
1.「拳譜・兵器譜」で套路の順番を記録した物。
2.「拳派世系」門派の創設の起源、歴代伝人、流伝の範囲などの内容。例えば「太極拳世系年表」など。
3.「伝門収録」武芸書籍。「馬朔譜」「陰符槍譜」など。

「拳譜・quanpu・チュエンプ」
拳勢の名称と用法を記録した綴じ込み本である。一般的には七言または五言の言葉で、習慣的な呼び方と象形の語句で、動作を一句
または二句で説明している。

「経・jing・ジィン」
教典論著、或いは一つの出来事、一つの技術などの伝書。

「兵経・bingjing・ビンジィン」
兵書の教典。古くは【孫子の兵法】は兵経である。【文心雕龍・程器】「孫武(兵経)、言葉は珠玉の如く」

「兵法・bingfa・ビンファー」
兵が武器を用いる方法。【孫子の兵法・形篇】「兵法、一曰度、二曰量、三曰数、四曰称、五曰勝。」【戦国策・秦】「大王の知恵、
士民の衆、車騎の用、兵法の教え」などがある。

「兵家・binjia・ビンジィア」
軍事学を研究し、兵道に精通した人。軍事研究家。

「口訣要術・koujueyaoshu・コウヂュエヤオシュウ」
武術の神髄を要点を突いた簡潔な言葉で表す。

「拳理・quanli・チュアンリィ」
拳術の理論。

「剣論・jianlun・ジィアンルン」
剣術についての理論。

「論剣・lunjian・ジィアンルン」
撃剣の技術を深く探求する理論。

「技法・jifa・ジィファ」
技撃方法、各種の武術技術を指す。拳種は問わない、技法はそれぞれ異なる、一般的包括するものは手法、腿法、歩法、身法、眼法
など、踢、打、拿、跌は技法の核心である。

「打法・dafa・ダァファ」
武術技法の一つ。一般的に攻撃と防御方法の名称を「打法」と称する。古くは打法に「踢」も含まれていたその後随時発展し指、拳、
掌、肘など上半身攻防技を指しも踢法は分かれる。明代には長打、短打に分かれていた。

「摔・shuai・シュアイ」
1.武術四大技撃法の一つ。漢時代には「扑」或いは「仆」と称される、明代では「跌」、現代では「摔」と呼ばれる。戦国時代に
  は「(手卒)」の記載がある。
2.武術套路演練技法の一種。掌または器械を頭の上から下に向けて振り下ろし、地面に打ち付ける。摔掌、摔棍、摔槍などが有る。

「摔法・shuaifa・シュアイファ」
武術技法の一つ。摔交と武術が分かれた後、武術の実用技法を保っている。跌法はなくならず同じであるが踢、打、拿などは禁止さ
れている。現代では対抗運動では摔法を多用する。主要な方法には摔、切摔、別摔、絆摔、背摔、勾摔などある。

「靠・kao・カオ」
1.身体に張り付けて打つ打法の一つ。相手の身体に貼り付くように近づけ、肩、背、胯、臀で後ろまたは側面に向けて猛力でもた
  れかかるようにぶつける。その技には「劈山靠(肩)」「舎身靠(背)」「遊身靠(胯)」などがある。
2.套路練習に於ける身法の一つ。八極拳、酔拳、脱铐拳の中でよく見受けられる。

「拿法・nafa・ナーファー」
武術技法の一つ。別名で「擒拿」と呼ばれる。すなわち逆関節の原理と経絡学説で拿はその一つである。記述には「鷹爪王之拿」と
有る。伝統の拿法は拿筋、拿骨、拿穴の三種ある。押さえる部分は拿肩、拿肘、拿腕、拿指、拿頭首、拿腰、拿膝、拿足踝の八カ所
である。主要な手法には搬、点、鎖、扣、拧、纏、折、托、圧、切などである。

「无极・wuji・ウージィ」
「繰り返し无極に戻る」と老子が語るように、宇宙の原始で有る無形、無象の本体を指す。幾人の武術家がこの言葉を借りて意義を
派生させた。
1.套路の最初の予備式の初め、外形は動かず、内意は混沌している時を「无極」とする。
2.いまだに練拳をしないことを「无極」とする。
3.腹部を指す。孫禄堂【八卦掌学】「腹為无極」。

「有极・youji・ヨージィ」
準備動作と開始運動の間の心身の状態を指す。

「太极・taiji・タイジィ」
【周易・系辞上】の中に「易有太極、是生両儀」と有る。つまり「太極」は万物の本源で有ると言う意味、某些武術家はこの言葉を
借り派生させた。
1.拳練時、拳路の予備勢で内意はすでに動き、外見の動きが明らかでない時を「太極」とする。陳鑫、「打拳を初めるとき手足が
  動いたとはいえ未だ運動せず、端然と立っている、その陰陽開合のきっかけは、満ちることと虚の伝わりの数、すでに全て腹心
  の内に含ませる。この時精神を集中させる、特に形にならずだけ、時が無く名前、胯の名前は曰く太極」。【陳式太極拳】
2.肚と臍。孫禄堂【八卦拳学】「近取諸身」で、「臍は太極」とのべている。

「陰陽・yinyang・インヤン」
古代陰陽の観念は【周易】を源とする。【周易・易傳】の作者は一歩進め「一陰一陽の呼び方」を提起し、陰陽を用いて自然界の対
立する両者のお互いの消長する物質、勢力を表す。古代の武術家はこのことを借りて人体の運動時の形態と内部の変化を、武術動作
または動作の局部に帰属させ「陰陽」をその們の相互関係を表した。例えば正面は陽、背面は陰。手心が上向きは陽、下向きは陰。
伸ばし出す野は陽、曲げて引くのは陰。実歩は陽、虚歩は陰。歩みを進めるのは陽。退くのを陰。剛勁は陽、柔勁は陰など。総じて
陽の代表は外面的、進取的も剛硬的特性を持つ方法。陰の代表は内面的、退守的、柔軟的な特性を持つ方法。武術の運動中、陰陽を
強調し対立し、統一する弁証法的関係である。「陽中に陰がある、陰中に陽が有る」事を重んじる。拳を行うとき「動中静を求める」
定勢時には「静中動を求める」勁力には「剛柔相済」が必要である。

「両儀・lianyig・リィヤンイー」
【周易・系辞上】によれば、「太極に有り、是から両儀が生じる。」天地または陰陽を指す。是を武術の理論に応用する。
1.動と静を指す。動は陽、静は陰を表しこれを合わせて両儀とする。孫禄堂【太極拳学】「身体が動き、静止する、これを両儀と
  する」とある。
2.八卦掌の绕圓走転を指す。左に向かって走圏する事を陽儀、右に向かって走圏する事を陰儀、それを合わせて両儀とする。孫禄
  堂【八卦拳学】「両儀とは一気に伸び縮むこと、左に回ることを陽儀、右に回ることを陰儀とする」。
3.両腎を指す。孫禄堂【八卦拳学】人体に当てはめれば「両腎を両儀とする」。

「三才・sancai・サンツァイ」
【周易・系辞上】によれば、三才とは「天、地、人」の事である。これを転じて武術家は人体の「頭、手、足」とし、発生するもの
は「上盤、中盤、下盤」である。孫禄堂【太極拳学】によれば「三才は、頭手足、即ち上中下なり」。

「四象・sixiang・スーシィアン」
【周易・系辞上】によれば、「両儀から四象が生まれる」。四象とは金、木、水、火のことで有る。震木、離火、兑金、坎水、それ
ぞれ主とする。武術家はそれを引用し
1.四正方を指す。孫禄堂【八卦拳学】「四象は拳の中で前、後、左、右の事」。また【太極学】では「四象は前進、後退、左に向
  く、右に向くこと」とある。
2.心臓、肝臓、肺、腎臓を指す。孫禄堂【八卦拳学】「腹の内側の心、肝、肺、腎」とある。
3.上肢、下肢を指す。孫禄堂【八卦拳学】「両手、両脚が四象である」

「四徳・sidu・スードゥ」
孫禄堂【八卦拳学】のなかに言葉が有る。作者は「四徳」に拳術技法の解釈を与える。四徳とは「順逆和化」の四つであり、すなわ
ち拳中のふさわしい理である。順とは、手足が同じ方向に向け自然に進み前に伸びることである。逆とは、気力が内に戻り縮む事で
ある。和とは、気力が中正で中庸を保つことである。化とは後天の気や力を化にして丹田に真陽に戻す事である。

「五行・wuxing・ウーシン」
【尚書・洪範】によると、五行とは水、火、木、金、土の五種類の物質を指す。また五行は五方を合わせる、即ち北方は水、南方は
火、東方は木、西方は金、中央は土である。春秋戦後時代に出現した「相生相克」、即ち木から火が生じ、火から土が生じ、土から
金が生じ、金から水が生じ、水から木が生じる。水は火に勝ち(克)、火は金に勝ち、金は木に勝ち、木は土に勝ち、土は水に勝つ。
「相生」の意味はお互いに助け合う。「相克」は相手を押さえ止める。五行の学説は古代武術の基礎理論の一つである。
1.形意拳系統は五行学説を拳理の根本に据える、基本五拳(劈拳、钻拳、崩拳、炮拳、横拳)の属性及び相互関係、は劈拳は金に
  属し、钻を生じ崩に勝つ、钻拳は水に属し、崩を生じ炮に勝つ、崩拳は木に属し、炮を生じ横に勝つ、炮拳は火に属し、横を生
  じ劈に勝つ。その他に五行は中医学の五臓と合わせる説がある、劈拳は肺に属する、钻拳は腎臓に属する、崩拳は肝臓に属する、
  炮拳は心臓に属する、横拳は脾臓に属する。
2.太極拳系統の進歩、退歩、左眄、右顧、中定この五行である。即ち金、木、水、火、土である。

「八卦・bagua・バーグア」
【周易】八卦には「 陽爻」と「 陰爻」の符号があり、この両種の符号を組み合わせて八種類の基本図形を作る。その図形
と名称は「 乾」「 坤」「 震」「 巽」「 坎」「 離」「 艮」「 兌」である。この八卦図の
古い口伝には「乾三連」「坤六断」「震仰孟」「艮复碗」「離中虚」「坎中満」「兌上缺」「巽下断」などがある。朱熹【周易・易
傳】作者は八卦を動物や人体など自然現象の象徴として、八卦の形式を採用し、推測し発展変化させ、陰陽両種勢力の相互作用を万
物を生み出す根元と認め、「剛柔相推、変在其中塵」を提起する、豊かで地味、弁証法的視点である。古代の武術家が拳理の解釈に
よく用いた。
1.八卦からの命名された拳術。即ち八卦掌・八卦拳。
2.八卦動作の方向を説明すると。王宗岳【太極拳経・太極拳解】十三勢とは「棚(手編)、将、擠、按、採、例(手編)、肘、靠」
  この八卦である。「棚(手編)、将、擠、按」は「坎・離・震・兌」で四正方である。「採、例(手編)、肘、靠」は「乾・坤
  ・艮・巽」で四斜角である。
3.八卦に於ける人体の部分は、孫禄堂【八卦拳学】によれば八卦の形を取り命名される。頭は乾、腹は坤、腎は坎、心は離
  尾閭の第一関節から第七関節脊椎は巽、脊椎上部を艮、左腹を震、右腹を兌、是を身体に於ける八卦とする。

「太極図・taijitu・タイチートゥ」
太極図形には二つ種類がある。一つは北宋周敦頤が作った物で「无極而太極」「陽動、陰静」
「五行順布」「万物化生」など五つの層に分かれる物である。もう一つは、二匹の魚型の半
円形を組み合わせた円形で、中は陰陽を表している(図)これは現在一般によく知られてい
る太極図である。中国の歴史上最も早くこの円形の太極図が用いられたのは「道家」の標識
(マーク)である。唐代の道師の一人が作った【真元妙経品】の中で【太極先天合一図】と
呼ばれる、円形の太極図が用いられている。五代の末、華山の道師陳総合【周易参同契】と
【真元妙経品】の両部の著作の中に【先天太極図】の図が描かれている。周代敦頤【太極図
説】の中に上記の両著作の説を取り上げている。周の敦頤は【易】と「道家」の思想を合わ
せて取り入れ、【太極図説】で「太極図」を説明している「太極」が世界創世の中心で有る
と提起。「太極」は最初は絶対的な実体で、それは一動一静から生み出される、陰陽、五行
と宇宙万事万物の変化が尽きない。周敦頤【太極図説】は太極拳の理論形成に、重要な影響を及ぼしている。清代王宗岳著【太極拳
論】は【太極図説】を理論的根拠にしている。「太極者、无極而生、陰陽之母也」との説を立て、太極拳における陰陽哲理を拳理に
解釈する。それ以降、太極拳の各流派の多くが太極図と理論の詳細を解釈する。例えば、太極図の円形、太極拳動作規範が円転的、
孤形的で有ることが太極図に相似している。「太極」運動の特徴は「動而生陽、静而生陰」、陽とは動くこと陰は静止することそれ
を循環しくり返す、太極拳には「動之則分、静之則合」動と静はお互いにくり返す、開合は密接な関係である、剛柔はお互いに助け
合う事が特徴である。太極拳の技撃で重んじることは柔を持ち剛を制する、動を静が待つ、実で避け虚で打つことなどである。すな
わち剛柔、虚実、陰陽の変化の理を太極図の中で読み解いている。

「形似・xingsi・シンスゥ」
即ち形が似ていると言うことである。象形類の拳術では動物の形態や動きを模倣することで、例えば猴拳は猿がよじ登る、桃をもぎ
取る、枝に登る、しゃがみ込む、喜ぶ様子、驚き逃げる動作などである。鴨形拳は鴨が道を走る様子を模倣したもので、身体を左右
に揺り動かす動き、両方の水掻きでフラフラと歩き、頭を前後に伸縮させ鴨が水の上を泳ぐ動作である。蛇拳では蛇が跳びかかる、
舌を出す、木に巻き付く、草に潜り込む動作を模倣する。

「神似・shensi・シェンスゥ」
形を似る事に対しての言葉である。
1.某武術の門では、套路の学習は模倣する、その他形式の特徴、形の神髄を伝え、内在する精神と気質をつかみ、勁力規律を特徴
  とする。
2.象形拳類、猴拳での要求は精神と形態を求め、単なる外見の物まねでは無い。

「体用・tiypng・ティーヨン」  
健康と実用(技撃)を統一したもの。通備拳の解釈では「理象会通、体用具備(理と形を理解し、身体を用いて備える)」。いくつ
かの武術流派も「体用兼備」を追求する。太極拳の著述にも【体用全書】がある。

「剛柔・gangrou・ゴンロウ」
源自【周易・系辞上】では「剛柔は互いに押し動かし、変化が生まれる」。伝統武術では「剛柔」を対立と統一の矛盾した両方の名
称として用いる。例えば、堅実、沈穏、抗力など、形に現れるモノを剛とし、虚軟、軽霊、化勁など、内に含まれたモノを柔とする。
武術理論では混じりのない剛は折れやすく、純な柔は萎えやすいと知られている。「剛中寓柔、柔中寓剛」「剛柔相済」を重んじる。

「剛柔相済・gangrouxianji・ゴンロウシィアンシィー」
武術運動のなかで勁力の運用に対する要求を指す。剛勁と柔勁を交互に用いることを称して「剛柔相済」と呼ぶ。武術の伝統技法で
は、一般的に剛は陽勁、柔は陰勁とする。また別には明勁を剛といい、暗勁を柔とする。「剛中寓柔、柔中寓剛」「剛柔相済」など
は各種類の武術の共通した要求である。これと同時に剛ばかり或いは柔ばかりを行う事は勁道上の欠陥とみなす。各種門派における
剛柔の比率は尽きずに同じである。剛柔が半々、剛が七柔が三、剛が三柔が七などの割合がある、その他に外が剛内が柔、または外
が柔内が剛などなど勁道への要求は多種である。馬鳳図著【遊芸録・渤海通備八極合讃】の中に「岳山八極、開門短拳、七剛三柔、
龍翔虎潜」と有る。

「虚実・xushi・シューシィー」
1.虚と実。虚実の二者間の相互関係。【戦国策・西周】「そもそも、虚実ある時には、本末更に盛んなり。」【呉子・料敵】「兵
  は敵の虚実を知らなければ成らない。」
2.太極拳術語。拳術中に用いる力の多少を指す、開合など相互対立と統一の双方の意を持つ。王宗岳【十三勢論】「虚実がはっき
  りとすべきである。歩法を用いるとき、主に体重を支える脚を実、補助的に支える脚または移動する脚を虚とする。【太極拳術】
  意念を右手に集中したとき、右手は実、左手は虚である。手法では上棚は虚、下将は実である。【陳式太極拳】「勁道が上棚に
  到るとき、この手は虚、手が下に沈むとき、この手は実で有る。上下の配合で言えば、上下相随地分虚実とする、即ち右手が下
  に沈み実、右脚が虚。同じく右手が上棚の時は虚、右脚は上の手に合わせて実になる。」身体の開合で言えば、合は虚、開は実。
  【太極拳研究】「虚実の変換は動作の開合の動きに合わせておこなう、即ち開の時は虚、合の時には虚である。」

「動静・dongjing・ドンジィン」
運動と静止。広く一般的に人体の巨視的、微視的な相互変化の関係を指す。 【周易・系辞上】「動静は常に存在する、剛柔決める」
【筍子・勧学】「君子は学ぶなり・・・・四肢を配置する、形は動静なり。」動静は哲学の概念に属する、これは物質の運動規律を
明らかにする、合わせて動静の変化を解釈する世界である。武術、特別に套路運動の規範に準じる、合わせて陰陽学説の一つで、武
術の理論体系である。宋代周敦顧【太極図説】「太極、動は陽を生み、動きわまれば静になる。静は陰を生み、静がきわまれば動に
戻る。一つの動き一つの静止はお互に同じ根とする。」清代張孔昭【拳経拳法備要】「動きは立ち上がる勢い、静は沈む形。」王宗
学【太極拳論】「太極者・・・動は分かれ、静は合う。」これは動と静の生み出された原因で、内外合一、動静結合、陰陽変化など
哲理に変わる武術運動の規律への要求となる。
この他には、武術の動静には内外の分け方がある。内は意念、外は身体を指す、内外どちらも相対し独立した運動である。表現形式
は主に内静外動、内動外静、内外共に動静の三種類がある。「動静相因」「動迅静定」を参照。

「動静相因・dongjingxiangyin・ドンジィンシャンイン」
運動と静止が互いに影響しあう、相互の因果関係。すなわち動静の弁証関係を指す。宋代周敦顧【太極図説】「太極、動から陽が生
まれ、動が極まり静になる。静から陰が生まれ、静が極まり動にもどる。一つの動き一つの静止はお互に同じ根とする。武術界で一
般的に認識されている事は、武芸の演練時、静中動を含む、動中静が有る。静を欲すればまず動を、動を欲すればまず静を。或いは
静から動が生まれる、動が始まり静になる、この二つは相対し、不断に転化する。養生武術では外静内動を重んずる、外は静を以て
内動を促す。実用武術は静を以て動を待ち受ける、或いは静を以て動を乱す。套路武術ではさらに動静が生じ、互いに映え、リズム
の変化の巧さが要求される。

「花子・huazi・フウアツゥー」
西北拳家の用語。すなわち舞花の事である。絡みつくような舞花の手法、および器械の用法。元々は婦女が顔を飾る造花を指す。後
世の武人は、身を覆い防御する事に当てはめた、花子は手首、肘関節の軸を区別して、大小の円で回す。類したものには腕花子、臂
花子、背花子、里花子、外花子、绕身花子、云頂花子、また器械類には単手花子、双手花子、翻身花子、跳躍花子などがある。

「砍形无形・kanxingwuxing・カンシンウーシン」
拳の言葉。敵と戦うとき、実は有形。無形は無人と戦う、ただ有人と戦う時は一様に精神と思いは全て到る。

「象形取意・xiangxingquyi・シィアンシィンチィゥイー」
動物の形態や姿勢を真似、戦いに於ける攻守にて取り入れることを指す。

「十方・shifang・シィーファング」
方位の用語。東、西、南、北、東南、東北、西南、西北、上、下を指す。または自身の左、右、前、后、左前、右前、右后、左后、
上、下である。

「四正・sizheng・スーヂョン」
東、西、南、北の四つの方向を指す。あるいは自身の前、后、左、右の四方向である。太極拳の用語では棚、将、擠、按を四正手と
呼ぶ。

「四隅・siyu・スーイー」
東南、東北、西北、西南の四つの方向を指す。あるいは自身の左前、左后、右前、右后の四方向である。太極拳の用語では採、挒、
肘、靠を四隅手と呼ぶ。

「八盤・bapan・パーバン」
人体の八個の関節を指す。この言葉がでるのは【陰陽八盤掌法】である。「上四盤、下四盤の
区別が有る、上は出、入、退、華蓋の四盤、下は地、懸、空、九尾の四盤である。」「上四盤
は腕の手法、下四盤は腿法」である。人体に照らすと「出は手首」「入は肘」「退は肩」「華
蓋は胸部」「地は踝」「懸は膝下部」「空は膝上部」「九尾は腹部」(図参照)









「八門五歩・bamenwubu・パーメンウーブ」
太極拳術語。太極拳の八門の勁法と五種の歩法である。八門の勁法とは棚、将、擠、按、採、挒、肘、靠を指す。五種類の歩法と
は前進、後退、右顧、左眄、中定を指す。

「二門・ermen・アールメン」
伝統の用語。古くは拳家の技比べ、研究することである。二門とは両肘の間を指す。明代の兪大猷【剣経】「二門起、倶継以剪、
急変扁身、中欄殺」

「八門・bamen・パーメン」
伝統用語。
1.人体において、打撃に用いられる八カ所の部位を呼ぶ。つまり頭、肩、肘、手、臀部、胯、膝、脚。あるいは「八拳」と呼ば
  れる。形意拳、通背拳、八極拳、などにこの説が有る。八拳の項を見よ。
2.套路の演連中に向かう八カ所の方向である、坎、離、兌、震、巽、乾、坤、艮の八方向、あるいは四正四隅の事である。いわ
  く拳打八門(方)。

「側門・cemen・ツァーメン」
伝統用語。人体の側面、すなわち肩、脇、腰、胯の事を指す。または邉門、偏門とも呼ぶ。

「里門・limen・アールメン」
伝統用語。戦いの最中、敵の腕の内側の部分を指す。八極拳の招法では「里門頂肘」といわれる。

「過門・guomen・グオメン」
対練技術用語。一人が掃腿、別の一人が前に跳び、掃腿を避ける動作を指す。

「正門・zhengmen・ジョンメン」
伝統武術用語。「里門」「圏里」と意味は同じで、人体の正面を指す、すなわち胸、腹、胯の事である。

「開門・kaimen・カイメン」
散手の準備姿勢のことを指す。別名は「拉開架子」「擺好門戸」「站好桩口」「開手」などと呼ばれる。開門には「提吊手側開門」
「二排手側開門」「钻蹦拳正開門」「小云手正開門」「背開門法」「盤挂手拗開門」などが有る。

「吃外・chiwai・チィーワイ」
太極拳推手用語。自分の手を進め相手の側面または背面に到る事を指す。

「小門・xiaomen・シィアオメン」
伝統武術用語。古くより武術家が武術を研究し、人体を数門に分ける、そのうち小門は両脚の間を指す。

「大門・damen・ダァーメン」
伝統武術用語。古くより武術家が武術を研究し、人体を数門に分ける、そのうち大門は両腕と腹の間を指す。

「門子・menzi・メンズ」
西北拳家の用語。行揚招式とも輪ばれる。古くは二人でおこなう。俗称では「走門子」とも呼ばれる。

「洪門・hongmen・ホンメン」
技撃術用語。敵の正中面を指す。【少林宗法・技撃術釋】「人が闘うとき・・・正面から真っ直ぐに進む、これを洪門と呼ぶ」

「邊門・bianmen・ビアンメン」
技撃術用語。敵の左、右側を指す。【少林宗法・技撃術釋】「人が闘うとき・・・左右の側面から闘う、邊門と呼ぶ」

「外門・waimen・ワイメン」
伝統用語。対練中、相手の手と腕の外側を指す。例えば八極拳の招法「外門頂肘」がある。

「吃里・chili・チーリー」
太極拳推手の用語。相手の両腕の範囲で胸と腹の部分。

「里手・lishou・リーショウ」
八卦掌用語。「外手」と相対している。八卦掌の走圏の時、身体に近い手を指す。

「外手・waihou・ワイショウ」
八卦掌用語。「里手」と相対している。八卦掌の走圏の時、身体に遠い手を指す。

「里脚・lijiao・リージャオ」
八卦掌用語。「外脚」と相対している。八卦掌の走圏の時、円の中心に近い脚を指す。

「外脚・waijiao・ワイジャオ」
八卦掌用語。「里脚」と相対している。八卦掌の走圏の時、円の中心に遠い脚を指す。

「溜脚・liujiao・リィウジィアオ」
溜脚=踢腿の項を見よ。

「倒樹・daoshu・ダオシュウ」
脚法用語。敵の足先を踏み込み押さえる動作を指す。【拳剣指南】「普通には人の足先を踏みつけることで、倒樹と呼ぶ。」

「三路・sanlu・サンルー」
伝統用語。古くは人体を上盤、中盤、下盤の三つに分け、またそれぞれを三路に分けた。上盤は肩より上を指し肩、首、頭の
三カ所に区分し、それを「上三路」と呼ぶ。中盤は腹部を指し小腹、上腹、胸腔の三カ所に区分し、中三路と呼ぶ。下盤は股
より下を指し大腿(股部分も含む)、膝、小腿(足首を含む)の三カ所を指し、下三路と呼ぶ。

「三盤・sanpan・サンパン」
伝統用語。武術において人体を上、中、下の三盤に分ける。上盤は胸より上部、中盤は腰と股の間、下盤は両足を指す。通備
拳には三盤六合、三盤貫通などの要求がある。

「手・shou・ショウ」
武術動作の手法を指す。相手の不意を突いて勝ちを制することが可能な手法を「殺手」とする。「五手拳」は五個の基本動作
を組み合わせた伝統拳套。

「吊手・diaoshou・ディアオショウ」
手型の俗語。五指を合わせて寄せ下に下げる勾手を指す。

「先手・xianshou・シィアンショウ」
対練用語。二人対練時、先に攻める者を「先手」と呼ぶ。
「后手」の項を参照。

「后手・houshou・ホウショウ」
対練用語。二人対練時、先に守る者を「后手」と呼ぶ。
「先手」の項を参照。

「上手・shangshou・シャンショウ」
1.対練用語。套路対練中、主に攻める側または套路を主導する側を「上手」と呼ぶ。反対に守る側または従属する側を「下
  手」と呼ぶ。
2.好手(巧者)強手のこと。すなわち武芸に精通した者。【顔氏家訓・雑芸】「・・・十中六七、これを以て上手。」
3.太極推手中。攻める側を上手、守る側を下手と呼ぶ。王新午【太極拳法実践】にみられる。

「下手・xiashou・シアショウ」
1.伝統用語。合わせる手、副手。対練中主に守る側、俗称「打下手」。
2.動手、着手。上手の項を参照。

「高手・gaoshou・ガオショウ」
別名「名手」、「好手」と呼ぶ。武芸の高さや強さ、功力が深く厚い者を指す。たとえば「武林高手」などと言う。

「短手・duanshou・ドゥアンショウ」
拳術用語。両手を合わせる中、身体に付け短く発勁する打手。【少林拳術秘訣】対博時、短手に有らずんば自己を顧みること
ならず。

「長手・changshou・チャンショウ」
伝統用語。両手を使っている時の長打重撃する手を指す。曰く長きは短きを制し、力は勝ちを取る。
「一寸長、一寸強」に通
じる。
「硬手・yingshou・インショウ」
1.拳、掌、腕の功が硬く丈夫な者を指す。専門に硬功の訓練をする。
2.太極拳の「病手」「純陽无陰」と考える。動作は硬く強張る、推手や拳芸はすべて比較的高いレベルを達成しにくい。
3.「強手」と同意、技芸の高強者を指す。

「探手・tanshou・タンショウ」
伝統技術用語。別名「虚手」と呼ばれる。両者を比べ合わせて、先に敵方の虚実に探りを入れる。

「喂手・weishou・ウエイショウ」
技撃用語。実戦訓練中、相手方の攻撃に対する進攻手法を指す。喂手は相手の攻撃、創造接近実戦または実戦と同じ訓練の条
件に従わなければ行けない。

「補手・bushou・ブウショウ」
拳術用語。別名「続手」と呼ぶ、太極拳推手では「補勁」とも呼ばれる。手を交わす中、攻撃がまだの時、または攻撃の効果
の現れる前、すぐさま補勢で勁を加える。「補」法には三種類有る、一つ目は相手と静かに均衡している時、動かず、ただ補
勁を保持する。二つ目は攻撃を出しても、いまだ力を未だ使い切らず、勢いがつきない時、相手かせまだ倒れない時、ただち
に手を伸ばし続けて勁を出す。三つ目は攻撃中ただちに補招する。

「拗手・aoshou・アオショウ」
1.太極拳散手術語。王新午【太極拳法実践】「右手を敵の右手に接する、あるいは左手を敵の左手に接する、名前は拗手と
  言う。
2.拗勢の別名。

「順手・shunshou・シュンショウ」
太極拳散手術用語。王新午【太極拳法実践】「右手相手の左手に接する、または左手と相手の右手を接する、曰く順手。」

「引手・yinshou・インショウ」
1.太極拳術語。推手の時、相手が動く前に相手のちからを 誘導する、虚実の招法。
2.通背拳の動作。別名「大引手」と呼ばれる。引手=大引手の項を見よ。

「過手・guoshou・グオショウ」
過手=交手の項を見よ

「接手・jieshou・ジィエショウ」
武術術語。
1.二人の人が闘う時の第一手を指す。
2.交手と同意語。

「合手・heshou・フーショウ」
攻防鍛錬の方法。対抗試合においての、武術の効果を試すことを指す。この種の試合は勝負して勝ちを奪う選手権大会とは違い、
友好を基本として、お互いの学習や研究を行うもので実戦能力を高める為の練習方法である。

「搀手・chanshou・チャンショウ」
搀手は交手の事である。金一明【武当拳術秘訣】「搀手、は即ち交手の意味なり。」

「递手・dishou・ディショウ」
技撃用語。武術技撃の練習中、相手に出す拳または掌。一般には研究と伝授を行うもので、実際に打ち合うものではない。

「策手・ceshou・ツゥショウ」
苗族の武術用語。攻防技術手法を指す。苗拳策手には「三十六攻、七十二防」がある。全部で108手ある。要点には「両防一攻
三変五合」がある。策手で常用されるものには「獅子擘包谷、両儿吃奶、老虎練爪、喜鵲歇涼、海底捞沙、鷂子翻身、二龍奪珠、
仙女擺秋などがある。「両防一攻三変五合」の項を参照せよ。

「抡壁・lunbi・ルンビ」
抡臂の別称。

「三形・sanxing・サンシン」
八卦掌術語。八卦掌の運動の特徴を例えた「龍形、猴相、鷹翻」をさして言う。【八卦拳真伝】「八卦掌の功夫はすべて丸く回
る事が基礎で、全身が三形備わり、完備していると言える。すなわち龍、猴、鷹である。龍の如く進む、若猿が回るように、転
換は鷹に似る。四形の項を参照せよ。

「扁身雀勢・bianshenqueshi・ビイアンシェンチュイシィ」
西北拳家の用語。すなわち側身を縮める姿勢の事。人が武を比べる時、身を傾け撃面を縮め、雀勢で力を蓄え撥力を待つ、その
後走る。紅拳では特に重く、身法を合わせる。

「勢合・shihe・シィハァ」
架勢や姿勢のことを指す。「勢合」とは、姿勢と手、眼、身法、歩を協調一致させることで。また姿勢と器械とを協調配合させ、
歩く事に器械をしたがえ、身法と器械を合一させる。

「作勢・zuoshi・ヅオシィ」
技撃術語。対練・散打など対抗性武術の練習中、攻守すべての架勢、または闘いの過程で自分が有利な体勢の事を指す。

「気勢・qishi・チィシィ」
気勢とは即ち精神の状態を指す。武術選手が競技場で表現する気度(人柄、風格、気概)と態勢、精、気、神、勁力、功架など
のこと。

「四平架・sipingjia・スーピンジィア」
四平架とは「馬歩椿」のことで、四平を重んじる、四平とは、頂平(頭頂が平ら)、肩平、股平(大腿部が水平)、心平(気平
ともいう)の四つである。

「矮椿・duanzhuang・ドゥアンジュアン」
拳術用語。架勢が比較的低い拳路または単式動作、その下盤動作を指す。四川、湖南、湖北などと南方の諸地方で多用される語。

「高椿・gaozhuang・ガオジュアン」
拳術用語。架勢が比較的高い拳路または単式動作、その下盤動作を指す。四川、湖南、湖北などと南方の諸地方で多用される語。

「俯仰・fuyang・フゥヤン」
長拳身法。状態を前に俯き、その後上を仰ぐ。套路演練中の攻防を合わせて運用する。伏せる事と仰向く事をお互いに引き立て
る事が必要、緩急をはっきりと、胸と腰を柔らかく、動作の幅を大きくする。

「拗歩・aobu・アオブ」
武術の通用用語。「順歩」に対する反対語。右手と左足が前に、あるいは左手と右足が前に有る歩型を拗歩と呼ぶ。拗弓歩、拗
単鞭、などが有る。この言葉は明代に出現して今に至る。

「順歩・shunbu・シュンブ」
武術の通用用語。「拗歩」に対する反対語。右手と右足が前に、あるいは左手と左足が前に有る歩型を拗歩と呼ぶ。順弓歩、順
単鞭、などが有る。戚継光【拳経】三十二勢中に「順鸾肘」がある。

「拗勢・aoshi・アオシィ」
武術の通用用語。拗歩の基礎的な動作。右手と左足が前に、あるいは左手と右足が前に有る事を指す。戚継光【拳経】三十二勢
中の「順鸾肘」が典型的な拗勢である。

「順勢・shunshi・シュンシィ」
1.武術通用専門用語。両足を前後に開いて立つ歩型の時に、足と同じ側の手を前に出す事を指す、なおかつ前足先と鼻先がそ
  ろう姿勢。たとえば長拳の右弓歩右冲拳、形意拳の劈拳などがそれにあたる。
2.太極拳術語、重心を安定させ、勁路が順調。安全な姿勢に身を置く事を指す。

「当身・dangshen・ダンシェン」
古くには衛役捕人術語。愛他を攻撃する時の急所を指す。

「到身・daoshen・ダオシェン」
伝統用語。武術で対抗する時相手に触れる瞬間、全身一斉に力を入れ、手が到り足が到る。

「立堂子・litangzi・リィタンヅー」
苗族拳師が古くに行っていた一種の儀式。儀式の中で拳師は祖師の「清師訣」を呪文を語る。

「太極拳八方五位図・ltaijiquanbafangwuweitu・タイチーチュエンパーファンウーウエイトゥ」
太極拳の十三勢の名前は八卦と五行の方位図に相応する。
八方図(図左)の中で(手履)と離の方位は南方に位置
する。(手朋)と坎は北方に位置する。(手斉)と震は
東方に位置する。按と(悦−心)は西方に位置する。挒
と坤は南西に位置する。採と乾は北西に位置する。肘と
艮は東北に位置する。靠と巽は南東に位置する。
五位図(図右)のなかでは進と火を南に、退と水を北に、
顧と木は東に、(目分)と金は西に、定と土は中央に位
置する。

「套路・taolu・タオルー」
武術運動の主要な形式。古くは「套子」あるいは「套」と呼ばれていた。新中国成立以降「套路」という呼び名に替わる。古く
は起勢と終勢があり、二往復、四往復、六往復、八往復、12往復が一般的であった。現在の競技用套路は伝統的な套路を除き
競技時間は1分20秒または1分(伝統套路)で、自選套路、伝統套路、対練套路、等である。

「套子・taozi・タオズ」
套路の俗称。拳套子、棍套子、刀套子、剣套子などと呼ばれる。

「套路・taolu・タオルー」
武術運動の主要な形式。古くは「套子」あるいは「套」と呼ばれていた。新中国成立以降「套路」という呼び名に替わる。古く
は起勢と終勢があり、二往復、四往復、六往復、八往復、12往復が一般的であった。現在の競技用套路は伝統的な套路を除き
競技時間は1分20秒または1分(伝統套路)で、自選套路、伝統套路、対練套路、等である。

「趟子・tangzi・タンズ」
1.武術運動形式。数個の招法と歩法を結合する練法。
2.镖局語(古くに旅客や運輸の護衛に当たった者)。古くに護镖は「趟子」と呼ばれる。

「段・duan・ドゥアン」
套路術語。すなわち趟。完成した套路の組み合わせ部分。同一方向に向かって進み折り返しの所で一段とする。毎段は一様に少
しの「節」が組み合わされている。段に対する要求は軽重、主副、快慢、停動、迂回、起伏などがある。

「節・jie・ジィエ」
套路の術語。「串子」のことである。套路中の「段」の組成部分。

「路・lu・ル」
武術術語。即ち套路のこと。古くは一套拳を一路拳と呼んでいた。伝統拳術中の系統は多くの路から成り立っている、たとえば
四路通備、六路短拳、十二路査拳などがある。一般には簡単な套路から難しく、短い物から長くなる事が原則になる。数路から
数十路まで。各路は数十勢から数百勢まであり、一般には数段の組み合わせから成る。

「拳序・quanxu・チェンシュ」
別名「拳帽」と呼ぶ。整套の前に演練する一種の短い套路。それには四つの作用がある 一整套の準備活動。二整套の風格の特
徴を表す。三表演の効果を高める。四出来るだけ早く整套の核心の技芸を掌握する。拳序の形式は表演の主に「花法武芸」の表
現と発展に密接に関わっている。

「拳勢・quanshi・チェンシィ」
武術術語。
1.広義には拳勢は拳術中の招勢と架勢のことである。狭義には拳勢とは拳家の伝授と経験を根拠に基づいた攻守の姿勢を指す。
2.打拳の気勢を指す、動作の完成あるいは一つの套路の完成時に現れる精神状態ことである。
3.「式」のことである。

「定勢・dingshi・ディンシィ」
武術用語。拳術と器械技術中の姿勢と変化の規律。

「着・zhe・ヂャー」
攻防動作の古い名称。「着は打法、拳法、拳勢」。

「把・ba・バ」
1.武術術語。招の事を指す。古くには実践の招法を「把」呼ぶ。
2.つかむ、相手の身体の一部をつかみ握む、たとえば方、腰、腕などをつかむ。
3.片手で握る事。
4.柄、器械の手で持つ部分。例えば刀把、棍把、槍把など。
5.看守、門番の意味。
6.物をしっかり持ちバランスを取ること。

「拳把・quanba・チュエンバ」
心意拳用語。すなわち「拳式」の事である。例えば「虎撲式」を「虎撲把」のように呼ぶ。

「招法・zhaofa・ザオファ」
「招法」は古くは「着法」または「行着」「行著」とも呼ばれた。広義ではすべての打法はみな招法で、数多くの方法がある。
狭義での解釈では、色々な経験をよりどころにしたものと、伝授されてきたものの意味で、有効な武術攻防の手段のことを指す。
招法は中国武術の拳術、器械套路の基本の単位で構成され、武術の攻防格闘の内容を集積したものである。ただしずっと以前か
ら套路化した中国武術は、套路の構成およびその演練効果に適応するために、大部分の招法は変化していく、ある種の勁力と攻
防の意念の組み合わせ動作、実際、最初の価値は失われてしまった。したがって現代の武術の中の招法の言葉は、武術動作と同
義語である。

「行著・xingzhe・シンヂャ」
「著」は「着」また「招」の意味で「行招」は「行著」の事である。明代、清代で拳術と槍術の用語。拳法、槍法の基本的な招
の数。

「架子・jiazi・ジィアツ」
拳術用語。拳式の動作と拳術套路を刺す、例えば「拉架子」「盤架子」などである。

「吐架子・tujiazi・トウジィアツ」
武術試合の開始時に行う架勢。

「盤架子・panjiazi・バンジィアツ」
武術用語。「盤」は本来回転しながら前後することで、「盤架子」は拳術套路中の旋回進退すること。

「柔架・roujia・ロウジィア」
伝統武術用語。円滑柔軟な拳式を刺す。柔架は柔勁を重視し、柔らかさで剛に打ち克つ。太極拳、八卦掌、綿拳などの類。

「活架子・huojiazi・ファジィアズ」
八卦掌術語。八卦掌の特徴的な拳架の練習で、この訓練は中級クラスの鍛錬方法である。要求は換勢転掌を主な内容とし、進め
る歩は連貫させ、手は続き歩は開き換式変招の練習とする。快速で捻り回る中で「四形」之精と「八能」之巧を追求する。

「変架子・bianjiazi・ビアンジィアズ」
八卦掌用語の一つ。八卦掌の運動規律を掌握し、随意におこなう拳架の練習を指す。この練習方は高級な段階の鍛錬である。要
求は学ぶ者が気勢を変え、自由になり形が無くなる。

「空架子・kongjiazi・コンジィアズ」
または「花架子」とも呼ばれ、その意味は武術の様々なことに対して姿は美しいが、内容はとても空虚で、実践の意義や勁力、
武術的な特徴は少しもない事を指して言う。

「定架子・dingjiazi・ディンジィアズ」
八卦掌用語。八卦掌の動作規格練習のきまった練習を指す。最初は八卦掌時の鍛錬法を学ぶ。その要求は原地での単操と単勢転
掌が主な内容、まじめに八卦掌の動作規格の練習をおこなう。ゆっくりと一歩一歩姿勢の正確さを追求し、技法をはっきりとさ
せる。

「練架子・lianjiazi・リィアンジィアズ」
武術術語。別名「盤架子」と呼ばれる。「架子」とは拳式の動作と拳術の套路を指す。「練架子」は練習と様式を互いに支える
拳術套路を指す。

「拉架子・lajiazi・ラジィアズ」
武術用語。「拉」とは演練の意味で、「拉子」とは基本功を指す。拉架子の動作は比較的重く緩慢な演練形式である。拳家には
「拉架子はゆっくり、打拳は素早く」という言い方がある。拉架子と通常の套路演練は区別しなければ行けない。拉架子には別
名「盤架子」ともよばれる。

「出門架子・chumenjiazi・チュウメンジィアズ」
古代武術用語。開門式、或いは「出勢」とも呼ばれる。古くは武術家が武芸を比べる前に、自分の門の慣用の拳を示すこと。

「大架・dajia・ダゥジィア」
伝統武術用語。姿勢の伸びやかさ、運動の幅度が大きい拳架を指す。多くは同じ拳種中の架式と比較したもの。例えば「楊式太
極拳大架」の様に使う。

「小架・xiaojia・シィアオジィア」
伝統武術用語。姿勢に隙が無く、運動の幅度が小さい拳架の事を指す。多くは同じ拳種中の架式と比較したもの。例えば「八極
小架」の様に使う。

「功架・gongjia・ゴンジィア」
功架とは姿勢と動作のことを指す。武術の手型、手法、歩型、歩法および腿法の総称。

「走架・zoujia・ゾウジィア」
1.伝統武術用語。即ち練拳のことである。別名「赤架子」とも呼ばれる。端正な功架、熟練した召法、効力を増進する。歩法
  は拳架(套路)演練の変化を指す。 2.「活架」の事。太極推手中の活歩推手を指す。

「身架・shenjia・シェンジィア」
伝統用語。身形功架の事。長期の訓練で作られる門派と個人の風格や特徴で姿勢や体型などを指す。

「亮勢・liangshi・リィアンシィー」
1.出勢。拳家が武芸を比べる時最初に行う架勢の事、別名「亮架子」「亮門戸」とも呼ばれる。
2.亮相。套路を演練中定式ではっきりとした動作、例えば仆歩亮掌、や提膝架剣、弓歩托槍など。

「散招・sanzhao・サンザオ」
拳術用語。別名「散着」。組み合わせの招法ではない、「正招」以外の招法。

「絶招・juezhao・ジュエザオ」
素晴らしく熟達している、功夫が比べる物が無いほどの招法。絶対破ることの出来ない招法をさすが、実際には無い。相対的な
言い方としてある。

「虚招・xuzhao・シュザオ」
技撃術語。即ち誘い招く、虚撥の招式。闘いの中虚手を出し相手を驚かせ、だましてその後実手を出す。「誘招」の項を参照。

「虚手・xushou・シュショウ」
拳家術語。即ち虚を使った手法、虚招とも呼ばれる。虚実に探りを入れる、大騒ぎをして、相手を惑わす。

「実招・shizhao・シィザオ」
実際に打つ技法。実戦の中気勢をうかがい攻撃する招法。一般的に足の力を重んじる。

「実手・shishou・シィショウ」
技撃用語。即ち実際に打つ手法、あるいは「実招」とも呼ばれる。多くは機会を得勢いを得た時に用いる。

「収勢・shoushi・ショウシ」
武術用語。武術套路の最後の姿勢。流派により収勢は異なり同じではない。ただし同一拳種の套路はだいたい同じ収勢である。

「起勢・qishi・チィシ」
武術術語。武術套路の開始の姿勢。流派により起始はそれぞれ違う。ただ同じ拳種に所属する套路は同じまたはよく似た起始
である。

「出勢・chushi・チュシ」
1.武を比べる時に示す実戦的な姿勢。別名「亮勢」「亮架子」「亮門戸」とも呼ばれる。
2.武術套路の起始の姿勢、民間武術で良く使われる。

「武術動作・wushudongzuo・ウーシュードンヅゥオ」
攻防の動作を含み持ち、武術の意識を持ち、徒手或いは器械技術において武術の風格を持つ動作。演練時一般的には要求は手、
眼、身、歩を協調一致させる、精、気、力、功の全体を整える。

「動作規格・dongzuoguige・ドンヅゥオグイグ」
武術動作の規格を指す。武術運動の基本的な動作規格で、一招一式(形と動き、方法)の正確さを重んじる。武術競技の得点
において、10点満点中の6点を動作規格に配分する。その他には勁力、協調、精神、節奏、風格、内容、構造、布局などに4点
を配分する。

「組合動作・zuhudongzuo・ズゥフゥアドンヅゥオ」
幾種の違う拳勢の中に同じく存在する。別名「串子・一つにつながった物の意」「挂串動作」とも呼ばれる。手、眼、身、歩
に対する相互に配合の要求は高く、身体の協調能力を引き上げる為に有効である。編成は力の筋道、起伏が多く、攻防が合理
的な事が要求される。現代の自選長拳套路に長けている。

「武術図解・wushutujie・ウーシュートゥジィエ」
図を用いて動作の形や身体の各部の動作の動きを描き、文字を用いて動作の要領と要求の詳細を説明する。この二つを合わせ
て図解と称する。その内容は、運動方向、動作路線、往復路線、要領説明などを含む。

「長拳節奏・changquanjiezou・チャアンチュアンジエゾウ」
素早く動き、静かに落ち着く。素早く起きて、軽く落ちる。ゆっくり回り、急に撃つ。動きの中に韻律があり、静の中に勢い
がある事が要求される。起伏があり、緩急に違いがある。動く時は大波の如く、静かなること山の如く、起き上がる時は猿の
如く、落ちる時は鵲の如く、緩やかなること鷹の如く、素早きこと風の如く。

「功・gong・ゴン」
1.武器が硬くて良く切れる事。
2.功夫(技量、腕前)、武術の技能。素質、身のこなし、技術など包括する。または腿功、腰功、硬功など専門の功夫を指す。
3.基本功を指す。
4.エネルギー転換の基本物理量。武術中の功の主な表現となる拳脚の撃打の力量、変位(物体の移動)速度、静止姿勢の持続
 時間及び意念活動のエネルギー変化が発生する。

「功力・gongli・ゴンリィ」
武術術語。或る専門の能力または専門の技能の到達程度を指す。俗に言われる功夫の深い浅い(高い低い)の事。

「胆力・danli・ダンリィ」
胆力、勇気と力。

「弾力・danli・ダンリィ」
弾射(打ち出す)力量。

「武力・wuli・ウーリィ」
1.勇猛で武術に優れている。
2.兵力。軍事力。

「膂力・luli・リィリィ」
四肢が有力。

「材力・caili・ツァイリィ」
勇力、膂力(筋肉の力、または腕力)

「絶力・jueli・ジィウリィ」
力が強く人より優れている。

「勇力・yongli・ヨンリィ」
勇敢勇力。

「腰力・yaoli・ヤオリィ」
武術術語。腰の部分の力量。

「腕力・wanli・ワンリィ」
手首を回して捻る力。

「抗力・kangli・カンリィ」
引き上げる力に逆らう力。

「筋力・jinli・ジンリィ」
体力と同じ。

「強力・jiangli・ジィアンリィ」
強健丈夫で力が多い。

「使拳・shiquan・シィチュアン」
伝統用語。練拳のことを指す。

「行拳・xingquan・シンチュアン」
1.伝統用語。別名「演拳」「打拳」と呼ばれる。演練を開始すること。
2.拳套。別名「行手」と呼ばれる。査拳の第二路を行手(拳)と呼ぶ。さらに古くは温家七十二拳のことを指す。

「弄拳・longquan・ロンチュアン」
武術家の俗語。拳を指す。多くは旅芸人の武術を馬鹿にする事で、講談小説に良く出てくる。

「比划・bihua・ビィファ」
武術俗語。別名「比画」と呼ぶ。武芸を競う、腕比べをする。

「易骨 易筋 洗髄・yigu yijin xisui・イーグゥ イージン シィスイ」 NEW!!
もともとは養生用語であった。拳家はそれを形意拳練習の三つの段階を指すようになる。孫禄堂の【拳意述真】で
「三歩工夫、一は易骨、二は易筋、三は洗髄とする。」「易骨は決まりの拳勢練習の基礎、強張った勁を除き、明
勁に換え、しだいに自然呼吸と拳式呼吸に換えていく。易骨は形意拳の初級段階の練習法。」「易筋は意識、動作、
呼吸の三つを密接に配合した練習法。易筋は形意拳の中級段階の練習法。」「洗髄は前段階の規範に強化した練習、
動力定型を形作り、暗勁をつかみ化勁に錬成する、洗髄は形意拳の高級段階の練習法。」

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