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02年4月の講座 「器械・基礎の基礎講座1」 vol.25   
今月でこの武術講座も三年目、25回を迎えました。

これまで「長拳」と「南拳」の基本動作を中心に解説してきましたが、今月からは「武器博」の
本命と言うべき「器械」について解説をしていきたいと思います。

器械そのものについては「武器博」の各ページでいろいろと解説していますが、扱い方について
はあまりふれていません、本来ならよい指導者の下で修練を積むことが一番よいと思うからです。

ただ、現在練習をしている方の何らかのヒントになればと思い今回「器械・基礎の基礎講座」を
始めます。

また、解説が武器博の解説ページと重なることもあると思いますが、ご了承ください。



「これからの講座内容について」

器械・基礎の基礎知識・・・・・器械とは
器械・それぞれの特徴・・・・・中国器械の多様性
器械の各部名称・・・・・・・・中国器械の独特な名前
器械の調整法・・・・・・・・・よい器械が上達の近道
器械のサイズについて・・・・・ジャストサイズとは
器械の基本的な扱い方・・・・・なにより基本が大事
刀彩、剣穂などの取り付け方・・かっこよく取り付ける



器械・基礎の基礎知識「器械とは」

「器械」は「武器博」トップページの説明にあるように中国では「武器」全般を表す言葉です。
ですから「銃」や「大砲」はもちろん「戦車」や「ミサイル」も「器械」と呼ばれています。

この講座ではもちろん「戦車」や「ミサイル」の解説ではなく、武術で扱われている一般的な
「器械」に付いて取り上げてゆきます。

「器械」は古くには「兵器」または、単に「兵」と呼ばれることもありました。

中国武術の器械を大きく分けると・・・熱い器械と冷たい器械に分けることが出来ます。

◆火器(火兵器)・・・火や火薬を使った器械

◆冷器(冷兵器)・・・刃物や打撃系の器械(中国武術で一般的に扱う器械)

冷器の中での分類

■短器械・・・単剣や柳葉刀のように比較的全長の短い器械
■長器械・・・棍や槍のように比較的全長の長い器械
■軟器械・・・鎖を繋いだ九節鞭や三節棍のような柔軟性のある器械
■双器械・・・刀などの短器械や軟器械を両手に持つ器械
■暗器械・・・全長が短い物、武器に見えない物など昔暗殺などに用いた器械
■佐助器械・・主に使う器械に対して、補助的に使う器械、暗器も多く含まれる
■防守器械・・盾や鎧など身を守るための器械
■射器械・・・弓矢や弩、投擲器などの飛び道具
■稀少器械・・短器械や長器械などに含まれるが、一般的でなく珍しい器械
■古代器械・・古代の戦などで使われた器械
■門派器械・・その門派独特の特徴を持った器械
■雑器械・・・その他の器械、運搬用の荷車なども含む

ただしこの分類はお互いに重なった部分が多数有り、厳密な分類とは言えません。
例えば、暗器に属する「匕首」は「短器械」にも「佐助器」にも含まれています。
また、「棍」は「長器械」と一口に言っても「短器械」に含まれる「短棍」など
の場合、どの長さから「長器械」で、どこから「短器械」と言う区分けは難しい
と言えます。

また大型の投擲器械(石投げ器など)を積む台車や、食料運搬のための荷車など
も器械に含まれます。




器械・それぞれの特徴「中国器械の多様性1」

武器を考える場合よく思うことですが、「日本刀」のシンプルな形に対して中国の器械は多様でバラエティーに富んでいます。
民族性と言ってしまえばそれまでですが、なかなか興味深い違いだと言えます。

日本刀の万能的な使い方に比べて、中国の器械は刺すことが専門の「刺兵・剣」、切ることが専門の「刀」、打つことが専門の
「硬鞭・錘」と器械の分業化がなされています。

今回は中国の器械の中から「短器械」の多様性に触れてみます。


 ■ 突くための器械 「剣」 両刃、真っ直ぐの剣身
西洋にも「プッシュダガー」と言う「突き刺し」専門のナイフがありますが、剣も基本的に突き刺す「刺」専門の器械と言えます。突き刺す目的のため、刃は真っ直ぐになり、先端は鋭く尖っています。

鍔にあたる「剣格」も敵の刃から手を守るという目的もあるのですが、剣で突き刺したときに勢い余って持っている手が刃の部分に滑り、 持手を傷つけることがないように、ストッパーの役目もしているわけです。

 


 ■ 切るための器械 「刀」 片刃、曲がった刀身
一般的な刀は剣に比べ刃の幅が広く片刃が特徴です、そのため刃自体の重さで叩き切るという使い方をします。 また刃が湾曲しているため、刀を単純に振り抜いても上手く切れます。

ちなみに、剣で同じように切ると刃が引っかかりるため、剣では引くように切る(抹剣)技術が必要です。

 


 ■ 引っかけるための器械 「鈎」 先端がフックのようになっている
鈎の特徴は刃が多く尖った先端がいくつも付いている事があげられますが、最大の特徴は先端がフック状に曲がっている事です。
手元の月牙、曲がった先端や鋭い先端が付いた形は、一見奇妙ですが、中国ではごくポピュラーな器械と言えます。

曲がった刃の内側が刃物状になり、敵の服を引っかけることや、相手の馬の手綱を切り落馬させることが目的です。

 


 ■ 打ち付けるための器械 「锏」 重く、角が鋭利
锏は金属で出来た断面が四角または三角の棒でのことです、刃は付いていないのですが、 角が鋭くなっているため強く打ち付けたときに大きなダメージを与えます。

剣や刀の刃では切れない鎧(よろい)や兜(かぶと)の上から打ち付けて攻撃します。

画像(下の断面図)のように単純に四角や三角の場合もありますが、角をより鋭くまた重量を軽くして取り扱いしやすいように溝を付けた物もあります。

 


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